「平和界隈♡」
FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌が、松本かれんとのラジオ出演告知に添えた、たったこれだけの言葉が少しだけざわついた。
「平和界隈」は、もともと鎮西と松本のペアにつけられた呼び名らしい。つまり、本来であれば何の問題もない。二人のファンなら「ああ、いつものやつね」で終わる言葉だったはずだ。
ところが、この日のFRUITS ZIPPER周辺のタイムラインは、いつもよりずっとピリピリしていた。
少し前から、あるメンバー同士の関係性についてSNS上でさまざまな憶測が飛び交い、前日にはアソビシステムからも、事実と異なる内容による批判や、憶測・根拠のない情報の拡散について注意を促す声明が出されていた。
そんな状況で投げ込まれた「平和界隈♡」。
ファンからも「今それ言うと意味深に取られるよ」「タイミングが悪い」といった反応があり、投稿はいったん削除されたようだ。
※元の投稿は現在削除されており、私は保存されたスクリーンショットで確認した。
ただ、私はこれを「鎮西がやらかした」という話だとはあまり思っていない。
むしろ興味深かったのは、その後だった。
「平和界隈」は、もともと平和だった
翌日、松本かれんがこう投稿した。
「平和界隈」ってラジオでみんながつけてくれたペア名なんだ〜💌♡
お気に入りなの🥰
とっても大切、今日のラジオもよろしくお願いします!
ここには、前日のざわつきについての言及がない。
「誤解しないでください」とも言わない。
「今話題になっている件とは関係ありません」とも言わない。
ただ、この言葉がどこから来たものなのかを説明している。
「これは、もともと私たちが大切にしている呼び名なんですよ」
必要な情報だけを置いて、余計な争点を増やさない。
ただ、私はこの松本のポストを読んでとても安心した。
――松本かれん、もしかして相当シゴデキなのではないか。
さらに鎮西は、その松本の投稿を引用する形で改めて、
みんながつけてくれた「平和界隈」🕊️
これからも大事にしていくよ♡
ラジオもよろしくね📻
と投稿した。
結果だけを見ると、かなり綺麗だ。
一度は別の意味を背負わされてしまった言葉に、松本が本来の文脈を戻す。
そのうえで鎮西が、もう一度その言葉を使う。
「誤解されたから、もう使いません」ではない。
本来の意味を敷き直してから、言葉を取り戻している。
もちろん、二人が相談したのかもしれない。スタッフが関わっていたのかもしれない。あるいは、それぞれが自分で考えて動いただけかもしれない。
そこは分からない。
ただ、外から見える結果としては、妙に絶妙だった。
誰が仲良しで、誰が性格がいい、ではなく
今回の発端になったメンバー同士の関係性について、ここで詳しく書くつもりはない。
そもそも一年のかなりの時間を、仕事として近い距離で過ごしている人間同士である。
疲れている日もあれば、相手の様子を見る日もあるだろう。少し距離を置きたい時期だってあるかもしれない。
それを一つ一つ「確執」と呼んでいたら、たぶん世の中の人間関係の大半が確執になる。
FRUITS ZIPPERを見ていると、少なくとも私には、ずっとべったり一緒にいるというより、
ついたり離れたりしながら、なんとなくやっている
ように見える。
誰が誰と一番仲がいいのか。
誰が性格がいいのか。
誰が悪いのか。
そういう見方だけでは、少し薄いのではないかと思う。
もちろんメンバー同士には、それぞれ個人的な人間関係がある。
でも同時に、七人でひとつのグループとして仕事を続けている以上、
「この場面では誰がどう動くか」
という、もう一つの関係もあるのではないか。
ビジネスライクと言うと冷たすぎる。
もっと単純に、
チームを維持するための機能的な関係
とでも言えばいいだろうか。
今回、その一端がたまたま表に見えたような気がした。
「普段なら波風が立たない人」
そう考えると、最初に「平和界隈♡」と投稿したのが鎮西寿々歌ではなかったら見える景色は違うものだったかもしれない。
鎮西には長い芸歴があり、明るく人当たりのいい人物というイメージも比較的広く共有されている。
つまり彼女は、
普段なら波風が立たない人
なのだと思う。
彼女がいつものテンションで何かを言えば、通常なら「鎮西がいつもの鎮西をやっている」で済む。
非常事態を宣言するのではなく、何事もなかったように通常運転へ戻す。
そういう役割を担うには、とても向いている。
今回、それでも意味深に受け取られてしまったのだとすれば、鎮西の一言が特別にまずかったというより、タイムラインの緊張度がそれだけ高くなっていたと考えるほうが、私にはしっくりくる。
松本かれんは、文脈を足した
そして松本かれん。
彼女がしたことは、「私はこう思います」という主張ではなかった。
言葉の由来を説明しただけだ。
それでも、それで十分だった。
鎮西が「平常運転を置く人」だとすれば、松本は今回、
必要な文脈だけをそっと足す人
として機能したように見える。
説明しているのに、説明臭くならない。
騒動を大きく扱わず、いつもの自分のテンションのままで、誤解される余地だけを少し減らす。
この塩梅がかなりうまい。
全員が同じように動かなくていい
FRUITS ZIPPERには、真中まなのように、場を読んで進行や空気を整理することに長けて見えるメンバーもいる。
ただ、だからといって何かあるたびに真中が前に出ればいいわけでもない。
むしろ彼女が明確に「整理」に動けば、
「まなふぃが出てこなければならないほど大きな問題なのか」
と、かえって事態を重く見せてしまう可能性もある。
櫻井優衣は櫻井優衣で、持ち前のさりげない細やかな気遣いがファンにもよく知られているところではあるし、早瀬ノエルのように、最後まで普段と変わらずにいることが共同体を安定させることもある。
もちろん、実際に彼女たちの間でそんな役割分担が決められている、という話ではない。
ただ外から見ていると、
誰かが前に出る。
誰かが言葉を足す。
誰かはあえて動かない。
誰かはいつも通りでいる。
そんなふうに、それぞれ別のやり方でチームを成立させているように見える瞬間がある。
FRUITS ZIPPERは、わりと自由に見える
そもそもFRUITS ZIPPERは過去のラジオやオンライン配信での発言やその後の対応から見るに、メンバー本人の責任において発言や振る舞いを比較的自由に任されているように見える。
もちろん私は実際のマネジメント体制を知っているわけではない。
ただCUTIE STREETでは、公式Xが「怖いマネージャーさんに連行されました」と投稿するなど、マネージャーの存在そのものが半ばキャラクター化され、表のコンテンツにも登場する。もちろん実際の管理体制が厳しいかどうかはわからない。ただ、少なくとも公開される語りの中では「見守る/注意する大人」の存在が比較的見えやすい。
対してFRUITS ZIPPERは、
「大人に管理されている子どもたち」よりも、「自分たちの責任で仕事をしている大人たち」
という印象が強い。
そして、メンバー同士についても、程度の差はあれど比較的自他境界がはっきりしているように感じる。
誰かの失敗が、即座に自分の問題になるわけではない。
誰かが前に出たから、全員が同じ態度を取らなければならないわけでもない。
仲がいいから常に一緒にいる必要もない。
ついたり、離れたりする。
その自由さがあるからこそ、必要なときにはそれぞれ違う形でチームを支えられるのかもしれない。
チームワークは、一枚岩になることではない
チームワークというと、全員が同じ方向を向き、全員で同じことをする姿を想像しがちだ。
でも今回の「平和界隈」をめぐる一連の出来事を見ていて、少し違う形もあるのではないかと思った。
全員が同じ人間になる必要はない。
誰が一番優しいかを決める必要もない。
誰と誰が一番仲良しなのかを決める必要もない。
それぞれに個人的な関係があり、それぞれに違う性格がある。
そのうえで、
「この場面では、この人が効く」
というものが七人の間に少しずつ存在する。
それが計算された役割分担なのか、長く一緒に活動してきた結果なんとなく身についたものなのかは分からない。
たぶん、その両方なのかもしれない。
少なくとも今回、結果として見えた彼女たちの動きは絶妙だった。
七人が同じ方向へ一斉に動いたからではない。
七人がそれぞれ違うまま、必要なところだけを埋めていたように見えたからだ。
個人が違うまま、共同体を作る。
FRUITS ZIPPERはそういうチームなのではないかと私は少しだけ感じた。
参考
Xのポスト鎮西寿々歌(FRUITS ZIPPER)
12:27 PM · Sep 28, 2026
Xのポスト CUTIE STREET【Official】
7:10 PM · Feb 28, 2026

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