「真中まな」は冬の季語である。――アイドルの好き顔を暦に置き換えてみた。

真中まなは、冬の季語である。
もちろん、歳時記には載っていない。


SNSでよく見る「好き顔9選」というやつをやろうとしたことがある。好きなアイドルの顔を選んでいって、1位、2位、3位……と言う結果が出る、あれだ。

途中で手が止まった。

最近ハマっているOnephonyの橘彩音ちゃんがエントリーされていなかったからだ。

田島櫻子ちゃんはいるのになぜ…?

どうやら要件となるXのフォロワーが足りていなかったらしい。
(私はTikTokで彼女のぼっち飲みを観るのが好きなので、彼女にはぜひTikTokで頑張ってもらいたい)

そこで、私的好き顔9選でも作ってやろうと思ったが、選出は極めて難航した。

「この人のほうがかわいい」「中顔面は短いほうがいい」。そういう判断もあるが、私はいろんな種類のアイドルの顔が好きなのである。いい悪いではなく、要素の違いを魅力として拾えないか。

そこから、好きな顔の違いを記述するための、ごく私的な分類を作り始めた。

気づいたら、四季と気温と太陽と月と、12か月からなる暦ができていた。ランキングを作ろうとしただけなのに、なぜこうなったのかは自分でもよくわからない。

大前提として

これは一般的な美人判定でも、人類の顔貌分類でもない。

筆者が「好き」と感じるアイドルの顔について、その違いを整理し、言葉を与えるために作った、私的な座標軸である。念のため趣旨を書いておく。

美醜を測るのではなく、違いに季節の名前をつけてみる。

「短い中顔面=価値が高い」というような一本の物差しを、「暖かい/涼しい」のような価値中立の軸に置き換えてみる、という発想でもある。暑いより寒いほうが好きな人がいてもいい。それと同じように、どの顔が上等という話ではなく、「自分は冬顔が好き」と言えるようにしたかった。

顔暦の構造

完成した図では、四季をこう配置している。

  • 上:Hiver(冬)
  • 右:Printemps(春)
  • 下:Été(夏)
  • 左:Automne(秋)

温度感はこうだ。

  • 上:Froid(冷)
  • 下:Chaud(暖)

Froid/Chaudは、顔から受ける温度感の概念である。
今風に言うならば、中顔面の見え方がかなり効いているのではないかと考えている。短く感じるほどChaud寄り、長く感じるほどFroid寄り、という仮説だ。ただし実測による顔面計測ではなく、あくまで筆者の印象なので、その点は先に断っておきたい。

さらに、斜めに2本の軸が通っている。

Lunaire ↔ Solaire

Lunaireは、顔全体よりも先に、目や鼻や口元といった特定のパーツの魅力が意識される好き方。局所的で、少しフェティッシュな見方。

Solaireは、個々のパーツよりも、顔全体の配置や調和、バランスが先に意識される見方。

「月=暗い、太陽=明るい」「陰キャ/陽キャ」という話ではない。太陽は全体を照らし、月は輪郭や局所を浮かび上がらせる。そういう比喩だと思ってほしい。

Mignon ↔ Beau

Mignonは、かわいい、キュート、愛嬌、親しみ。
Beauは、美しい、端正、整った、大人っぽい。

これも優劣ではない。現在の図上では、左上にLunaire、右上にBeau、左下にMignon、右下にSolaireが位置している。

外周には、フランス語の1月から12月を並べた。おかげで「春顔」という大雑把な言い方だけでなく、「3月初旬」「11月下旬」といった細かい表現ができるようになっている。

なぜフランス語なのか。

筆者の好みである。

具体例1:音嶋莉沙

まず、例として挙げたいのは=LOVEの音嶋莉沙である。

かわいいですね♡

彼女は整った顔立ちではあるのだが、仕草やキャラクターまで含めた全体の印象には、お茶目でキュートなものがある。顔暦上は春側に分類できる。

ただその一方で、典型的な春顔よりも、少し涼しげに感じる。

したがって、冬と春の間――3月初旬の顔、と表現できる。

一言で言うなら、春ではある。しかし、まだ寒い。

ここで一つ強調しておきたいのは、「季節」と「気温」は同じ軸ではない、ということだ。春の中にも暖かい春と涼しい春があり、音嶋莉沙は後者に近い、という話である。

なお、音嶋莉沙の誕生日は8月11日である。真夏だ。「3月初旬の顔」という分類は、誕生月とはまったく関係がない。

太陽と月が登場し、暦まで用いるが、変な占いというわけではないことに留意いただきたい。

具体例2:廣川奈々聖

もうひとり挙げたいのがわーすたの廣川奈々聖である。

好き顔だよ〜う♡

筆者の印象を一言でいえば、パーツの配置は端正なんだけど、パーツの造形そのものはフェティッシュ。

顔全体を見るとSolaire的に感じるのに、目や口元といった個々のパーツに注目すると、途端にLunaire的に感じる。だから、衣装やメイク、表情、写真、あるいは見る側の意識のありようによって、春にも秋にも見えてしまう。

これは分類の失敗ではない。この理論では、春と秋は比較的行き来しやすいものとして扱いたい。

一方で、その人の「気温」そのものは、あまり大きく変化しない。

同じ23℃でも、春の日と秋の日がある。春の23℃が、秋の23℃になるのだ。

……23℃顔、という妙な専門用語がここに生まれてしまったが、これはこれで残しておきたい。

私は彼女の目が好きなので、悩んだ末に秋にカテゴライズすることとする。

なぜ音嶋莉沙と廣川奈々聖なのか

ここまで、理論上の典型例だから二人を選んだ、という体で書いてきた。

しかし、本当の理由は少し違う。

なぜこの二人を例として選んだのか。
ほかでもない。

彼女らがFUKUOKAはかたみにょん出身だからである。

ふたりとも、Mignonですね♡

おわりに

思えば、最初にやろうとしていたのは、好きな顔をランキングにすることだった。

それが難航を極め、違いを言葉で説明しようとした結果、四季が生まれ、気温が生まれ、太陽と月が現れ、最終的には12か月分の暦まで完成してしまった。

美をひとつのものさしで測るのではなく、違いに季節の名前をつけてみる。

そう考えると、「この人のほうがかわいい」ではなく、「私は冬が好き」と言える。それだけのことのために、ずいぶん遠回りをした気がする。

だから、真中まなは冬の季語なのである。
もちろん、歳時記には載っていない。

「だからなんだ。」って話だけど。


【おまけ】青葉楓花の好き顔歳時記

1月:金村美玖、真中まな、川中子奈月心、MINA

2月:小坂菜緒、塩川莉世、環やね、TZUYU

3月:音嶋莉沙、江角怜音

4月:弓木奈於、小此木流花、鎮西寿々歌、月深乃絢、MOMO

5月:尾木波菜、佐々木舞香、増田彩乃、白石まゆみ、頓痴気さきな、林田真尋

6月:田島櫻子、WONHEE

7月:小熊まむ、梅田みゆ、音井結衣

8月:瀬戸口心月、夏目志穂、橘彩音

9月:廣川奈々聖、高梨ゆな、涼海すう

10月:城月菜央、高須賀友香、辻野かなみ、齋藤樹愛羅、

11月:永田詩央里、山下瞳月、福田ひなた

12月:桐原美月、真鍋凪咲、大園玲、DAHYUN

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