私はいわゆる在宅オタクである。
アイドルは好きだし、推しもいる。新曲が出れば聴くし、動画も見る。ファンクラブにも入る。
ただ、ライブに全通するわけではない。毎回遠征するわけでもない。CDを何十枚と積むこともない。
つまり、推してはいる。
推してはいるのだが、比較的家にいる。
なぜか。
単純に家が好きだから、というのもたぶんある。
ただ、それだけでもない。
推し活というものは、油断すると生活のあらゆるリソースを吸い始める。
時間。
お金。
気力。
そして予定表。
今日は、そのあたりの話をしたい。
推し活、増やそうと思えば無限に増やせる
推し活には終わりがない。
曲を聴く。
SNSを見る。
配信を見る。
ライブに行く。
特典会に参加する。
遠征する。
そして気がつくと、
「この配信、今日だった!」
となる。
時間だけでもかなり忙しい。
もちろん、お金もかかる。
ファンクラブ。
メンバー個別の有料コンテンツ。
CD。
チケット。
ドリンク代。
グッズ。
交通費。
宿泊費。
何が怖いかというと、一個一個はそこまで無茶な金額ではないことだ。
月550円。
うん、まあ払える。
ライブ一本。
まあ行ける。
せっかく行くならグッズも欲しい。
まあ分かる。
遠征するなら泊まったほうが楽。
それも分かる。
全部分かる。
そして全部足すと、
あれ?
となる。
推し活とは、そういう趣味である。
好きになればなるほど、投入できるものが増えていく。
私はこれを、commitmentの膨張だと思っている。
時間も、お金も、気力も。
「もう少し」が、いくらでも存在する。
好きの強さと、投入量は同じなのか
推し活には、明文化されているわけではないけれど、なんとなくヒエラルキーのようなものを感じることがある。
何回現場に行ったか。
何枚買ったか。
どれくらい長く応援しているか。
顔を覚えられているか。
名前を呼んでもらったことがあるか。
いわゆる「トップオタ」のように、推し本人から特別なファンとして認識される。
もちろん、それはそれで楽しいと思う。
好きな人に覚えてもらえたら、そりゃうれしい。
ただ、その世界に入ると、
「どれだけ好きか」と「どれだけcommitしたか」が、だんだん近づいていく。
もっと現場に行く人がいる。
もっと買う人がいる。
もっと認知されている人がいる。
上には上がいる。
そしておそらく、上の上にも上がいる。
私はそこで、
じゃあ、降ります。
となった。
推しにとって特別なファンになることを、推し活のゴールにしない。
自分よりたくさん現場に行く人がいてもいい。
自分よりたくさんお金を使う人がいてもいい。
それで自分の「好き」が一段階降格するわけではない。
でも、金を使わなくていいとは思っていない
ここまで書くと、
「じゃあ無料で楽しめばいいじゃん」
という話にも見える。
私は、そこまでは行かない。
好きなもの、続いてほしいものには、できる範囲でお金を払いたい。
アイドルもゲームもコンテンツも、念だけでは運営できない。
「応援しています!」
だけでは、たぶんサーバー代は払えない。
なので私の中では、
特別なファンになるために払うお金
と、
好きなものが続いてほしいから払うお金
は、少し意味が違う。
前者は、どうしても比較が入りやすい。
後者は、自分で決められる。
このコンテンツは好きだから払う。
このゲームには続いてほしいから払う。
この人の活動には続いてほしいから毎月払う。
そのくらいがちょうどいい。
月額制の趣味、実はかなり安くないか
ここで突然、趣味の料金体系について考えたい。
たとえばキャンプ。
一度道具をそろえれば終わりに見えるが、行くたびに交通費、サイト代、食費、燃料代がかかる。
カフェ巡り。
行くたびに払う。
ラーメン巡り。
食べるたびに払う。
ツーリング。
走るたびに、なんだかんだ払う。
こういう趣味は、楽しめば楽しむほど費用が増える。
要するに、従量課金である。
一方、月額制のオンラインゲームは少し違う。
たとえばドラゴンクエストXは、
私が利用している5キャラコースなら月額1,500円
「毎月1,500円の固定費」と考えると、ちょっと痛そうに見える。
年間18,000円。
ほら、急に怖い。
ところが、
「1,500円で一か月遊び放題」
と考えると、話が変わってくる。
月20時間遊べば、一時間75円。
30時間なら50円。
かなり安い。
むしろ遊べば遊ぶほど得である。
一方、ラーメン一杯1,500円を月一回食べても、
「これは年間18,000円の契約だな……」
とはあまり考えない。
固定費は年額換算して怖がるのに、従量課金は一回ずつ払うので、なんとなく見逃される。
趣味の値段というものは、総額だけではなく、どう課金されるかによってもずいぶん印象が変わる。
推し活は、固定費から従量課金へ伸びていく
アイドルの推し活は、この点でちょっと面白い。
私の場合、イコラブLINKは一人550円。
笙古ちゃんと莉沙ちゃんの二人分なので、月1,100円。
CANDY TUNEのファンクラブは月880円。
ここまでは固定費である。
毎月一定額を払い、その範囲で楽しむ。
ところが、その先には、
CD!
ライブ!
グッズ!
遠征!
が待っている。
つまり推し活は、
固定費で入場して、従量課金でどこまでも伸ばせる趣味
でもある。
伸ばそうと思えば、かなり伸びる。
伸びしろしかない。
だからこそ、どこまで伸ばすかは自分で決めたい。
月550円には、月550円なりの意味がある
月額制には、もう一つ好きなところがある。
「長く客でいる」という形で応援できることだ。
一度に大量のCDを買う人もいる。
毎回ライブへ行く人もいる。
それとは別に、
毎月550円を払い続ける人もいる。
運営側がそれをどのように評価しているかは、外からは分からない。
ただ、継続課金という仕組みなら、
「この人の有料コンテンツに、毎月お金を払う人がいる」
という需要は見えやすい。
もし自分の推しが、グループ内で相対的に人気の高くないメンバーだったとしたら、なおさら少し意味を感じる。
一人550円。
大金ではない。
その550円で突然センターになるわけでもない。
でも、
「私は今月もここにいます」
という意思表示にはなる。
一度に大きなお金を使うことだけが、応援ではない。
長く客でいることも、ひとつの応援だと思う。
自分が先に息切れしたら意味がない
結局のところ、私が在宅オタクである理由は、節約したいからだけではない。
ライブが嫌いなわけでもない。
行きたいときには行く。
買いたいものは買う。
ただ、それを「好きであることの証明」にはしたくない。
時間も、お金も、気力も有限である。
そして私は、推し活以外にもやりたいことがある。
ゲームもしたい。
ブログも書きたい。
ラーメンも食べたい。
寝たい。
人生には推し活以外のコンテンツも多い。
だから、生活を推し活に最適化するのではなく、生活の中に推し活を置きたい。
commitmentを小さくすることが目的ではない。
どこに、どれだけcommitするかを自分で決めたい。
好きなものが続いてほしいなら、できる範囲でお金を払う。
でも、払った金額を愛の大きさにはしない。
推しにとって一番のファンにならなくてもいい。
自分にとって、長く好きでいられるファンでいたい。
払わなくていいものには払わない。
続いてほしいものには払う。
そして、無理をしない。
それくらいが、私にとってのライフ・推し活・バランスなのだと思う。
【参考資料】
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・『ドラゴンクエストX オンライン』公式サイト「利用料金」
https://www.dqx.jp/online/start_game/price/
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https://equal-love.link.cosm.jp/
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https://candytune.asobisystem.com/feature/entry
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